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PLLにおける2側面判断について

「判断は限りなく0にできます」 
-大村周平(2009年度4x4x4世界チャンピオン)


どうもHATAMURAです。

PLLの判断を素早く正確に行うには、多くの経験を要します。
しかし、ただ単にたくさん数をこなせば判断が速くなるかというとそういうわけでもありません(もちろんある程度は速くなりますが)。理論的に秩序だった、明確な判断基準をもって練習することで、初めて練習としての意味を持ちます。
今回は、PLLにおける判断、特に2側面判断に関する方法論と実際の練習法を、具体例を挙げながら解説していこうと思います。

・この記事は後日ほぼ同内容をCubeVoyageにアップロードする予定です。
・この記事は全て世界基準配色、白クロスで解説しています。




☆2側面判断とは?

PLLのステップに来たとき、一度に見ることができるのは最大2側面までです。3面以上を見ようとすると、キューブや顔を動かしたりしなければいけません。
4側面判断(要するに全ての面を見てから判断すること)は、PLLを覚えていれば誰でもできると思います。
全体をぐるっと見て同じ色が固まっている部分を見つけ、そこからPLLの形を判別して回す、という判断をやっていると思います。
しかし、理論上はすべてのPLLを2側面だけで判断することが可能です。PLLの判断時間を減らすためにはより少ない面を見ただけで判別できた方がよい、というのはすぐに分かって頂けると思いますが、一度に見れる情報、つまり2側面を見るだけでPLLを判別しようというのが2側面判断になります。

「理論上は」と言いましたが、実際に全てのPLLを2側面で判別するのはとても難しいです。しかし、トップキューバーであれば殆ど全ての場合において2側面を見ただけで判断ができます。
判断もタイムを縮めるには大切な要素です。速く回すことばかり考えて、判断の練習を疎かにしないようにしましょう。


☆2側面判断のレベル

PLLを全て覚えた時点から、より少ない面の情報で判断するということを意識するべきでしょう。
実際に2側面で判断できるようになるには時間と経験を要します。10秒くらいのレベルになっても完璧に2側面で判断というのは難しいのですが、ao12(average of 12)のPBがSub13(13秒未満)くらいのレベルで「だいたいの場合でできる」くらいでないならば、「判断が未熟である」と言っていいと思います。僕の主観ですけどね。


☆「2側面判断」は「2側面」じゃない!?

この記事では2側面判断について触れるのですが、実際のソルブにおいては2側面よりもたくさんの情報が手に入ります。
例えばこのOLL手順、
pll2fd01.jpg

R' U' R U' R' U2 Rで揃えられます。揃えてみましょう。
pll2fd02.jpg

手前の面がバラバラです。こういうパターンの判別はとても難しいです。
しかし、手順の途中、R' U' R U' R' で一度手を止めてみましょう。
pll2fd04.jpg

この部分、この後はどこに行くでしょうか。残りはU2 Rです。
pll2fd03.jpg

回してみると分かりますが、L面の側面に移動します。
つまり先ほどの部分の配列を覚えておけば、手前のF面、R面だけではなくL面の状態も判断材料に加えることができるのです。このパターン、答えはF-perm(n10)になります。
(さらに言うとこのあとFpermの最初の2手とキャンセルしますが、そこまでの先読みはほぼ無理です。Rの1手キャンセルならかろうじて読めるかもしれませんが、それでもSub10レベルのテクニックだと思います)


このように実際のソルブでは、手前の2側面以外の情報をPLLを始めるまでに手に入れることができる場合があります。そういった情報を判断の際に考慮に入れることで、より素早く、より正確な判断をすることができます。
PLLの素早い判断のために、こういったテクニックもぜひ取り入れましょう。ただ今回の主題とは外れますし、これ以上述べることもあまりなさそうなのでこの辺にしときます。
あとこれは2側面判断と同レベルもしくはそれ以上に高度なテクニックですので、無理して使えなくてもいいと思います。


それでは、実際に2側面判断を身につけるための方法をこれから書いていきます。


☆2側面判断のために① PLLを覚えましょう

「は?」って思ったかもしれませんが、これは手順を覚えろと言っているのではなく、パターンを覚えろということです。

PLL21個の一覧です。
http://speed-cubing.appspot.com/pll-algorithm.html
手順ではなく、左の図をめっちゃ見ましょう。
実際にそのパターンを作って、それを死ぬほど眺めましょう。
そして、パターンごとの特徴を掴みましょう。パターンごとにパーツの交換位置や色の配置についてしっかりと頭のなかに叩きこむことで、パターンの判別が簡単になりますし、ソルブの中でパッと見た時にすぐにイメージが思い浮かぶようになります。
パーツの交換位置を理解することは、簡単な場合の素早い判断にはとても大事です。
色の配置について覚えることは、難しい場合の素早い判断において重要です。
これについてはあとで詳しく述べます。


☆2側面判断のために② 実際に2側面で判断してみましょう

pll2fd05.jpg

ハイ。


できましたか?これは簡単でしょう。

では正解発表です。左をF面としますね。
F面の一列が揃っていますが、R面のコーナーが一致していないのでエッジのみの交換(U,Z,H)ではありません。このような交換はJとFのみになりますが、JならばR面エッジとR面コーナーどちらか一方との色が一致していますので違います。よってFperm(n10)に確定します。


続いてどうぞ。
pll2fd06.jpg

できましたか?難易度としては中の上といったところでしょうか。

正解発表です。
F面コーナーが揃っています。ということはコーナーは奥の2つの交換ですね。
それからF面エッジを見ます。コーナーを基準にするとF面のオレンジはR面に移動ですね。さらにR面エッジの緑はF面に移動です。この2つが交換です。

この時点で正解はRperm:b(n11)であることが確定します。

まず、このように「理論的には判別が可能」ということを理解しましょう。
実際に判別して、消去法でこれしかあり得ないというふうに決められるということが分かれば、それを利用した判別法によっていくつかのパターンを判別できるようになりますし、さらには「その構築したパターンには当てはまらない」という消去法で、他のパターンの判別法もどんどん生み出していくことができます。


☆2側面判断のために③ 判断基準を作りましょう:簡単な場合

先ほどのようにいろいろな状況において判断を繰り返すことで、自分なりに判断基準を構築していくことができます。
しかしそれだけでは、判断は感覚的な理解にとどまったままです。もっと理論だった、明確な判断基準を作らなければ、素早い2側面判断にはたどり着けません。
では、どのようにして判断基準を作ればよいでしょうか?
pll2fd07.jpg

こちらの2つ、どちらも「B面が揃っている」Upermのaとb(n1,n2)です。
たぶん多くの人が上の情報と写真で判断できると思います。基準は恐らく、「1つの面の中に対面の色の組み合わせ(赤とオレンジ、青と緑)があるかどうか」じゃないでしょうか?

この「隣り合った色が対面の色の組み合わせかどうか」というのは、とても大事な判断基準になります。その理由の一つは、この判断基準は全体の色配置が移動しても必ず成り立つからです。
同じパターンでも、色配置によって4通りの色の状態が考えられます。例えば白クロスの人なら、同じUperm:b(n1)でも「赤面が揃っている」「青面が揃っている」「緑面」「オレンジ」が考えられるわけです。
しかしどの場合でも「揃っている面をB面に持ってきた場合、R面のコーナーとエッジが対面色配置で、F面は対面色でない配置」というのは変わりません。(なぜ変わらないかというと、これはパーツの交換を考えればすぐに理解できるはずです。)ですので、この情報は判断基準として非常に有効であると言えます。
「同色の組み合わせ」と併せて、「対面色の組み合わせ」さらに「同色でも対面色でもない組み合わせ」を判断基準に盛り込むことで、明確な判断基準を作成することができます。

この判断が重要なもう一つの理由として、「パーツの交換位置がすぐわかる」というのがあります。上の括弧でも書きましたが、パーツの交換が変わらない限り「色が対面色かどうか」というのは変わりません。逆に、パーツの交換が変われば対面色かどうかが変わってくるということです。
①で「パターンを覚えろ」と書いたのを覚えていますか?ここでそれが活きてきます。

pll2fd08.jpg

例えばこちら。多分多くの人がすぐ分かるんじゃないでしょうか。Tperm(n8)ですね。

これがなぜすぐに判別できるかというと、
F面が「コーナーが揃っていてエッジは対面色」で、
R面が「手前2つが揃っている」
というのはTpermしか無いからです。
なぜTpermしか無いのかは、パーツの交換を考えればすぐ分かると思います。F面のコーナーが揃っているということは、奥の2個が交換になっているということです。さらにF面のコーナーが対面色ということは、これは対面に移動します。
この時点で、Tpermしかないことが確定します。
全てのPLLのパーツ交換が頭に入っていれば、このような判断はたやすくできます。

このように、「色が同色か対面色かそのどちらでもないか」の判断によって「パーツの交換位置」を把握し、「パーツ交換の位置」の判断によってPLLを確定させる。この2つの判断基準を組み合わせることで、2側面による素早い判断が多くの場合で可能になるのです。


☆2側面判断のために④ 判断基準を作りましょう:難しい場合

ここまでで、簡単な場合の2側面判断は出来るようになっています。ここまでは出来るという人も多いんじゃないでしょうか?
しかし、それだけでは難しいパターンの判別はできません。
pll2fd09.jpg

例えばこんなの。これを判別できますか?

ちなみに正解は左がGperm、右がApemです。GとAのどちらかであることまでならわかったという人もいるんじゃないですかね?
こういったパターンを素早く判別するためには、それ専用の詳細な判断をすることが必要です。

まず、
F面が「コーナーが揃っていて、間のエッジは同色でも対面色でもない状態」
R面が「どこも揃っていない」
の時点で、A、G、Rのどれかに可能性が絞られます。
この判断は、パーツの交換ではなく、パターンごとの色配置を覚えることで出来るようになります。

揃っている部分が少ないパターンについては、パーツの交換を把握するのは難しいです。こういう場合の判別は、PLLごとの色配置を覚えることで対応します。
各側面の色配置は、
「全部揃っている」
「隣接の2つが揃っていて残りは対面色(じゃない)」
「コーナー2つが揃っていて残りは対面色(じゃない)」
「全部違う」
の6通り
です。2側面は、これらの組み合わせでできています。この組み合わせさえ覚えてしまえば、どんな配置だって判別できます。
しかしこれを全て覚えるなんてのは到底できません。そこで、この判別は難しい場合のみに適用するのが良い方策であると言えます。

具体例に戻りましょう。AかGかRなのでした。ではこの3つを改めて見てみます。
A
pll2fd10.jpg
G
pll2fd11.jpg
R
pll2fd12.jpg


これを見て、判断基準を作成します。
ここでどういう基準を作るかは人によります。自分で最もいいと思う判断基準を考えて下さい。僕の使っている判断基準の例を挙げておきます。

「F面とR面のエッジが交換になっている」→Rperm
なっていなければ残り2つ↓
「R面の手前2つが対面色or奥2つが対面色でない」→Gperm
「R面の手前2つが対面色でないor奥2つが対面色」→Aperm


こんな感じで、判断が難しいものに関してはそれ専用の判断基準を作成しておきましょう。
特に難しい判別をいくつか挙げておきます。全部ではないです。判断基準は各自で作成してください。

GとY
pll2fd13.jpg

RとGとF
pll2fd14.jpg
pll2fd15.jpg

VとY(恐らくこの判断が全ての判別のなかで最難です)
pll2fd16.jpg



ただこの辺までくると、普通に他の面見たほうが速いんじゃないかという考え方もあります、というかそれが普通です。
しかし、冒頭に挙げた「OLL中にPLLを見ておく」テクニックを使えば、こういった面がきても2側面で対応することが可能な場合があります。そういったことが出来るようになれば、とりあえず判断するということに関してはマスターしたと言っていいでしょう。


☆2側面判断のために⑤ 判断基準を覚えましょう

こうして作成した判断基準を覚え、それを実際のソルブで活かしましょう。
そして素早く判断するためには、判断基準を覚えるだけでなく、見てすぐに思い出せることも重要です。この「すぐに思い出す」というのをするためには、頭のなかでの記憶の強い結びつきが重要になります。

PLLを回す時、また手順を回すときはいつもそうですが、見てから回すまでに
①側面の状態を見て
②どのPLLか判別して
③どの手順を使えばいいか思い出して
④回す
というステップを踏みます。
この①→②→③のステップにおいては、側面の状態とPLL、PLLと手順に関する記憶の強い結びつきが重要なのです。これらの記憶が強く結びついていればいるほど、すぐに手順を思い出すことができます。

記憶を結びつけるためには、2つの方策があります。
一つはとにかく練習することです。判断を何度も繰り返せば、記憶が定着して素早く思い出せるようになります。
そしてもう一つはパターンを眺めることです。ここでまた①の話に戻るのですが、各パターンを眺めたりじっくり考えることで、記憶の結びつきが強くなっていきます。それにより、判断基準、そして手順を素早く思い出すことができるようになります。


2側面判断を実用化するためには、この領域まで至ることが必要です。

そしてここから先は、「実力者」の域を超え、トップキューバーとなるために要求されるスキルになります。



☆2側面判断のために⑥ 判断基準を忘れましょう

また「は?」って思ったかもしれませんね。


トップキューバーになると、PLLの判断のときにほとんど止まっていません。速くない人がこれを見ると、「どう考えたらこんな速く判断できるのだろう」と思ってしまいます。
この考えは全くの誤りです。正しくは「何も考えていない」のです。

簡単に言えば「パブロフの犬」です。
パブロフの犬とは生物行動学の有名な実験の一つで、「ベルを鳴らしてから餌を与えるというのを繰り返した結果、ベルを鳴らしただけで犬が唾液を分泌するようになった」というものです。
これは、生物の「条件反射」という行動性質によるものだとされています。

判断がとても速い人の判断は、ほぼ全てが「条件反射」、あるいはそれに近い状態になっています。
何千、何万回と繰り返した判断とPLLを回す経験により、2つの側面という視覚的情報が、PLLを回すという運動をほぼ無意識のうちに開始させるのです。
これは全く誇張ではありません。実際に一瞬で難しい判断をこなす人は、「確証はないけど直感でそう思った」と言って、非常に高い確率で正しくPLLを判断し、回します。

先ほどのステップで言えば、
①側面の状態を見て
②どのPLLか判別して
③どの手順を使えばいいか思い出して
④回す
の、②と③のステップがまるごと抜け落ちたような状態です。

より正確に言うならば、
「②と③の思考過程にかかる時間を限りなく0に近づけることで、まるでそこを飛ばしているかのような状態にしている」
という表現が正しいでしょう。
実際問題、見た色の配置を判断して手順を思い出すという思考の流れは確実に存在しているのです。しかしその流れを幾度と無く繰り返すことにより、その思考の始点と終点の距離が縮まり、結果ほぼ0になっているというのが、トップキューバーの状態なのです。

ここまでいけばPLL2側面判断は免許皆伝といって差し支えないです。ここに至るには、非常に多くの経験を要します。そして、経験を積む以外の方法はありません。
単に知るだけでは辿りつけない世界があります。僕としては、多くの人がそこにたどり着けることを願うのみです。



☆おわりに

長々と書いてきましたが、これにて解説はおしまいです。
字数を調べたら6,000字近くありました。レポート2個分じゃねえか!バカかよ!

まあ、本当に判断の世界は奥が深いです。僕自身いかに速く判断するか試行錯誤するのがとても楽しく、こういう文章を発表することでその楽しさ、そしてタイムが縮まる喜びを多くの人に分かって頂けたらなあと思います。

ちなみに今これ書いてるのは朝の6時です。まだこれから画像を加工して体裁を整える作業が残ってます。死にたい。
こういう文章書いたら最後のほう頭おかしくなってるのってもしかして徹夜テンションのせいなんじゃないですかね?まあ読む側には関係ないことですが。

あ、この記事読んでRouxならPLLいらねーとか言ってる奴は死ねばいいと思うよ。Rouxの方が総合的に見ればパターン化しない分判断難しいからね。

あと、これは以前twitterでは書いたんですが、面白いとか参考になったら感想とかコメントしてくれるとすっげえありがたいです。無理なら拍手だけでも。次へのモチベめっちゃ上がりますんで。


それでは、いつものアレで締めます。



今回は以上です。
参考になれば幸いです。
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プロフィール

HATAMURA

Author:HATAMURA
京都大学在籍。1993年生まれ。
「充実した人生」が目標。
ルービックキューブを始めたのは'07年2月。

公式記録はこちら

解法やテクニックについて知りたい方はこちらへどうぞ。僕も運営に関わっているサイトです。
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