スピードキューブ解法における現在の圧倒的マジョリティがCFOPであることは疑いようがないことですが、最近はCFOPと少し違ったステップ(substepといいます)を使うことで、手数やステップ数を少なくするのが流行っています。
ということで今回は、そういった発展的なsubstep、特に最近トップキューバーの間で使われていたり使われていなかったりするsubstepについて簡単に説明したいと思います。
でもぶっちゃけ今日の内容はここ見た方が早いし詳しいで。
https://www.speedsolving.com/wiki/index.php/Category:3x3x3_substeps この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2014 の1日目の記事として作成しています。 またこの記事は後日Cube Voyageにも掲載する予定です。 ☆substep一覧 まずは今回説明するsubstepの一覧を置いておきます。
それぞれのsubstepがどういった部分を揃えるのか、それはCFOPだとどこに該当するのか、について簡単にまとめた表です。
がんばって拡大して見てね!
ちなみに今回紹介するsubstepですが、
後の方ほど変態度が高い です(俺調べ)。
☆substepの紹介 では、紹介していきます。
・COLL CLLとOLLを混ぜた造語です。
EOが済んだ状態(いわゆる「3段目の十字」ができた状態)から、コーナーの向きと位置を一気に揃えるsubstepです。
全42通り。
トップキューバーに限らずある程度以上の上級者の間では、覚えているor使っているという人もかなり多いようです。
・VHF2L Vandenbergh-Harris F2Lの略です。
F2Lの最後のスロットのIT化が済んだ状態(あと3手でF2Lが終わるという状態)から、F2LだけでなくLLのEOも揃えて、十字を作ってしまおうというsubstepです。
最後のスロットをR U' R'で揃えたときとR' F R F'で揃えた時では、エッジの状態が違いますよね。これを応用して、全てのエッジのパターンから十字を揃える手順を覚えます。
全32通り(全て左右対称パターンがあるので実質16通り)。
Lars VandenberghとDan Harrisという二人の提唱者から名前が取られています。
・OLLCP 読んで字の如し、OLLと一緒にCPもやっちゃうぞ!というsubstepsです。
OLL1つにつき4~6個程度の手順を覚えることになります。合計すると300以上のパターンになるそうです。
全てのパターンで使えずとも、いくつか簡単なパターンを覚えて使い分けている人は結構いるみたいです。
また、手順は使い分けないが判断だけは行ってPLLをある程度予測している、という人も多いです。
・ZBF2L 元々はZBという解法のステップの1つです。ZBLLに入る前のステップで、F2L#4と同時にEOも終わらせてしまうというパターンです。EOLSと呼ばれることもあります。
VHF2Lと似ていますが、大きな違いはどの時点で判断するのかという所にあります。F2L#4の開始時点でEOまで読みきってしまうのがZBF2Lです。つまり、ZBF2Lの中にVHF2Lも含まれることになります。
全部で302通りあるので覚えるのは大変ですが、判断の容易ないくつかのパターンだけやっているという人は非常に多いです。またVHF2Lをやっていると自然と身についたりもします。
・X-cross Extended-Crossの略です。クロスを揃える際に、一緒にF2Lの1つ目を揃えてしまうというものです。
クロスもそうですが画一化された手順があるわけではなく、経験とカンを要するsubstepです。
難しいように思われますが、結構慣れでなんとかなるようです。FMC(最少手数)でブロックビルディングに慣れ親しんだ人なら多少楽かもしれません。
以下小ネタ
・やる際の考え方はいくつかあるようですが、まず2x2x1のブロックを作って2x2x2に拡張し、さらにその間に残り2つのエッジを揃えるという考え方が多いようです。
・クロスとF2L2つを同時に揃えるのはDouble X-Crossと呼ばれます。
・csTimerにはなんとX-Crossの解を表示する機能がついています!tools>cross solverからecを選択してみよう!
・X-Crossが最初の表にない?細かいことは気にするな!
・Winter Variation, Summer Variation F2Lがあと3手で揃う状態で、さらにEOがもう完了しているという場合に使われます。
Winter VariationはIのF2L(R U' R'で揃う状態)Summer VariationはTのF2L(R U R'で揃う状態)から、OLLまで一気に終わらせてしまうというsubstepです。
WVとSVで各54通り(全て左右対称があるので実質27通り)。
Winter VariationはかつてF2LLと呼ばれていたものと同じものです。
後に出てくるOLSの簡易版とも言えます。SVは手順が長いのであまり使われませんがWVは比較的手順も短く、あのCornelius Dieckmannも結構頻繁に使っているようです。
なぜWinterおよびSummerなのかは調べてもわかりませんでした。知ってる人がいたら教えてくれ。
・2GLL EOが終わっておりさらにCPも終わっている場合(つまりCOLLの一部のパターン)から、一発で完成させるというsubstepです。
このような状態からだと、RとU(あるいはLとU)の回転のみで必ず全て揃えることができます。実際の手順も、RとUだけを使った手順を使用します。これが2GLLの最大の特徴です。
全85通り。
通常の3x3では判断含めて効率が悪いためあまり使われませんが、OHにおいては一部のパターンをMichał Pleskowiczなどが使用しているようです。OHでは基本的にRとUしか回せないので、2GLLを使えると非常に有利です。
・ZBLL COLLの進化版です。COLLと同じ状態から始めますが、コーナーだけでなくエッジも全て終わらせてしまうというsubstepです。
全493通りとパターン数は非常に多いです。逆手順や鏡手順を除いても177通りあります。
Feliks Zemdegsが現平均WRを出した際の4回目のソルブにも使われています。(その回はworstですが)
・OLS OLL and Last Slotの略です。
Winter VariationおよびSummer Variationと同じくF2Lラスト3手の状態から始めますが、これらとの違いはEOが終わってなくてもよいということです。途中まで普通のCFOPをやって、F2Lの最後からOLLまで一気にやってしまうということです。
Winter型のOLSをVLS、Summer型のOLSをHLSと言いますが、単にOLSと言った場合ほとんどはVLSのみのことを指します。
VLS、HLSそれぞれ432通り(すべて左右対称があるので実質各216通り)。
Mats Valkがこれを大量に覚えて利用していることは有名です。
・1LLL 1-Look Last Layerの略です。
F2Lが終わった状態から、OLLとPLLを一発で終わらせるsubstepです。
使いこなしてる人がいるかどうかは知らん。総パターン数は軽く1000を超えます。
そのうちこれも使いだす人が居そうで怖いですねえ~~~~~
☆おまけ・・・発展的substepは使うべきか? 書き出すと長くなるのでやめときますが、結論から言えば
「Sub15まではやめたほうがよい、そしてSub10までは不要」が僕の意見です。 「どうせ覚えるんなら早いうちからやったほうがよいのでは?」と思うかもしれませんが、これはあまり良いとは言えません。
タイムが速くない段階でこういったものを覚えると覚えた分だけ指使いや判断の合計量が増えるわけですから、それらのレベルを底上げしていくのは非常に効率が悪くなります。
ポケモンで言うなら、トキワの森で20匹のポケモンの経験値を貯めるよりは、とりあえず10匹程度でシナリオをある程度進めて、チャンピオンロードらへんで20匹の経験値を貯めたほうが結果として効率がいいということと同じです。
艦これで言うなら、1-1でレベリングするより、とりあえずマップを進めてから3-2-1でレベリングした方が効率が良いということと同じです。
CFOP以上の発展的なテクニックがなくてもSub10まではいけます。
覚えるなとまでは言いませんが、ある程度の実力を付けてからこういった発展的な手順を覚えていくようにするべきでしょう。
☆おわりに 今回はただの紹介なので特に言うことはないです。
今年もAdvent Calendar始まりましたねー。どういったネタが投稿されるのか、楽しみです。
それでは。
スポンサーサイト