この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2017 の15日目の記事です。今日、私は24歳になりました。
私がスピードキューブを始めたのは2007年2月ごろの事です。なんだかんだでもう10年以上キューブ続けてるんだなあ、と時の流れを感じずにはいられません。
始めたころはこんな長い趣味になるとは思っていませんでした。自分は割と飽き性で、いろんな事を思い付きで初めてはすぐ辞めてしまうことが多いのですが、スピードキューブに関しては、気づけば見知らぬ人の集まるオフ会や大会に出るようになり、そしていつの間にか大会を開く側になってしまいました。ブログやHPを開設したり、アジア大会で司会をやったり、日本記録を取ったり、レビューで報酬をもらったり……もはや単なる趣味と片付けられないレベルになってしまったなあ、ずいぶん遠くまで来てしまったなあと他人事のように思ったりもします。
たぶん来年からは就職して働き始めることになるわけですが、これからもまだまだスピードキューブと関わっていきたい、という気持ちは当然あります。
ただ同時に、これまでと同じような付き合い方はできないんだろうなという気も少ししています。
すでに色んなところで言っているのですが、HATAMURAのキュービストとしてのピークは2010年の日本大会の時、平均11.48secで当時の世界ランク26位の記録を出した時です。そして、タイムを競いランキングを争うキュービストとしての自分はもう大分前に死んでいます。
自分のタイムを縮めるということに対して、かつてのような熱意を持って取り組むことができていないし、これ以降出来ることもないだろうなと正直感じてしまっています。
タイムを縮めること、成長することがキュービストの本懐であるのは間違いありません。ただ、そこにかかる努力、時間などのリソースを考えた時に、自分がそれをスピードキューブに注ぎ込み、今以上に成長することが出来るのかというと、多分無理だろう、と冷静に思ってしまうのです。
スピードキューブはあくまで世の中に溢れかえっている「趣味」の一つでしかないのだという事を忘れてはいけないな、と最近よく思います。
私自身はスピードキューブを通して沢山のものを得ました。自分の人生において、スピードキューブは欠かすことのできない重要な一要素であると自信を持って言えます。
ただ、それはスピードキューブでなければ得られなかったものなのか、と聞かれると、必ずしもそうではないと思います。
スピードキューブなんて、そんな高尚な趣味じゃないんですよ。
スピードキューブをやっても頭は良くなりませんし、人間的に成長もしません。愛は地球を救うかもしれないけど、キューブが世界を救うことは絶対にないです。
私が得られたものっていうのはもっともっと普遍的な事であり、別にスピードキューブに固有のものじゃないんです。
勉強・趣味・部活などを通して重要な教訓を得るというのは、誰でもいつか経験することです。何かしらの経験を通して新たな知見を得て、それによって人間的に成長していく。それが人間というものです。
その経験というのが、私の場合はたまたまスピードキューブだった。それだけの事です。
中学生の時にそういう人生を変えるものに出会えたという事はすごく幸運な事だと思うし、スピードキューブにはとても感謝しています。
ただ、スピードキューブを通して自分のような経験をする人間は稀だし、大多数の人間にとってはただの趣味でしかないんだなあ、と、わりと最近、今更になって分かってきました。
……ここまで書いて、どう考えても日本大会の前日に書く内容ではないなと気づきました。ごめんなさい。
いやまあ、ここ一年は就活だったりなんだったりで色々考えこんでしまうような事が多くてですね。
自分にとってスピードキューブって何だったんだろうなあとか、ちょっと思ったりしてたのです。
まあ、まだまだスピードキューブ自体を辞めるつもりはありません。いつか辞める時が来るかもしれませんが、それは今じゃないと思っています。
老害と呼ばれないよう、引き続きキューブ界との健全な付き合い方を模索していきたいと思います。
日本大会は3x3で決勝に残るのが目標です。全力で楽しみたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
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